電子書籍の適正価格

 電子書籍の配信と似ているのが、音楽配信。WEBの音楽配信ではシングル・アルバム関係なく1曲単位で購入できる。大体1曲アタリ200円というところが多いようだ。これを元に電子書籍の適正価格を考えてみたい。

・これって安い?それとも高い?・
 シングルCD(2曲+カラオケで1000〜1200円)と比較すると「大体1曲アタリ200円」というのは格安で、良心的と言える。しかし適正価格かどうかと言うと・・・残念ながら違うと思う。販売手数料は音楽配信サイトさまざなようだが「ジャケットや歌詞カードなどが手元に無い」ということを考えるとボロ儲けしているとしか考えられない。WEBサイトは1度作ってしまえばあとの管理や更新はそれほど経費がかからない。初期投資がある程度回収できたら消費者に還元するなど企業努力をもっと積極的に展開すべきだった。テレビCMや雑誌広告にお金をかけるのは勝手だが、もっと柔軟に今の時代がどうなっているのか考えた方がいい。

 電子書籍も全く音楽と同じだと考えている。印刷書籍の70〜90%って適正価格と言えるのだろうか(一部半額以下の電子書籍もある)?今のところ印刷書籍は定価販売しかできないが、電子書籍は自由のはずだ。作家が儲かる仕組みならまだ良い。公務員やサラリーマンと違って定期的な収入が確保されているわけではないし、儲かればまた次の作品もじっくり時間をかけて創作にあたれると思う。またファンもそれを望んでいるはずだ。

 電子書籍ストアが搾取する販売手数料は法外だと思う。全ての電子書籍ストアとは言えないが、販売価格の約30〜70%が手数料というところが多い。販売価格の手数料70%はKindleだけだが、システムの違いによる手数料30%のコースも用意されていて選択できる。出版側もある程度の収入を得たいだろうから結局販売価格自体に上乗せされてしまい、その全てを消費者に押し付けるという格好になっているのは何かがおかしい。

 日本では10%ぐらいの人しか利用していないのが現状なので、根本的に電子書籍は売れていない。これはクレジットカードの支払いというのが足かせになっているような気がする。