電子書籍の違法コピー対策

 最初に言っておきたいのは「デジタルデータファイルは違法コピーを完全に防ぐ事はできない」ということ。「インターネットの違法ダウンロード」で「合法コピーのやり方」を説明している通り、誰でも簡単に電子書籍のコピーを作ることができてしまう。

 例えばゲームソフトのコピープロテクトなどすでに「イタチごっこ」なのは周知の通り。さすがに小学生レベルの知識ではコピープロテクトを解除する事は不可能だが、電子書籍や音楽CDのコピーなどは小学生でも簡単に作れてしまい、ファイルをネットでバラ撒く事さえ簡単だ。

 電子書籍は音楽配信と同じ道を進むと可能性が高い。ゲームソフトばりのコピープロテクトを開発したり、専用端末にコピーできないシステムを構築したりするぐらいしか方法がないが、基本的にはよほど悪質でない限り放置するしかない。

 音楽CDに記載されているのが「私的使用のための複製」という文章の通りある程度のコピーは黙認するしかない。コピー品を販売したりWEBで不特定多数がダウンロードできるようにしたりするのは犯罪なので、見つけたら警察に届ける。

 個人的に一番効果があると思うのが、「違法コピーは犯罪です〜」というような注意書きを表紙をめくったら出てくるようにしておくこと。

 次に効果があるのは1冊の料金を安くすること。ゲームソフトのように5000円とかだと違法コピーして商売しようとする悪質業者が出現しやすいが、1冊100円だったらどうだろうか?悪質業者は50円で売るのだろうか?さすがにリスクが高過ぎるわりに儲けが少ないので悪質業者は減少するはずだ(海外ではまた違うだろうけど)。

 印刷された漫画の単行本は500円前後で販売されているが、中古だと半額以下になる(人気などにもよるけど)。電子書籍は中古として売買できないのだから(データファイルをコピーして販売したことになるため)、人気の新刊漫画の単行本は200円ぐらいが妥当だ。印刷書籍は定価の30%ぐらいは取次と書店販売手数料で消えるし、印刷製本料金(重版なども含む)がかかっていないということを考えれば半額以下にできるはずだ。なぜ400円前後で売るのだろうか?

 デジタルデータをなんとか無料で手に入らないかと探す人がいる。以前動画配信サイトでも随分と問題となったのは記憶に新しい。今でもファイル共有ソフトを使ってデータを流出させる人がいる。もちろん犯罪なので警察のご厄介になるのは当然なのだが、このような人がいなくなる日は・・・たぶん無い!