理想の電子出版業界?

 思い切ったことを言おうと思う。「電子出版業界に従来の出版社は必要ない!」そんな時代になってきているんじゃないかと考える(ほとんど冗談です)。

・電子書籍小説の場合を考えてみる・
 小説は作家と編集者がいればストーリーは完成する。売り物にするためにデザイナーやDTPなどデータファイルを制作する人やイラストレター・カメラマンも必要だ。その他に何か動画が入ったり音楽が流れるなどの仕掛けを施す場合はそれに準ずる人が必要だ。テレビや映画化などの担当営業や広告担当ぐらいいてもイイと思う。

 電子書籍が完成したあとはWEB(電子書籍ストアや作家HP販売サイトなど)で販売するだけなので、取次・書店・出版社は必要ない。出版社の代りに編集者だけの会社(普通に言うと編集プロダクション)があればいいんじゃないかと思ってしまう。

 漫画雑誌なんかも同じかな。例えば週間少年ジャンプは一冊20作品ぐらい掲載されているが、積極的に読みたいと思っている作品は3つか4つぐらいで、後は別にどうでも良かったりする。極端な考えだが、週間少年ジャンプという媒体を無くして各作品だけが週間で電子書籍として販売されたらイイなと思う。1週間1作品20ページで30〜50円ぐらいでどうだろうか(月間契約や年間契約いくらでも良いと思う)?もちろんシステム的にブラッシュアップする必要は多々あるが、このシステムなら単行本を出す必要もないし、出版社も必要ない(編集者は必要)。週間少年ジャンプという目立つ媒体の存在が大きいのはわかるが、現在のインターネット状況では面白い作品なら必ずネット上にクチコミで反映されるから立ち読み用などを用意しておけば実現不可能ではないと思う。

 電子書籍は印刷・取次・書店も必要なくなるが、やり方によっては出版社も必要なくなるのかぁ・・・。だから大手出版社・大手印刷会社・大手書店は電子書籍や電子書籍ストア参入に必死なんだな(あれ?取次は何やっているんだろう・・・大丈夫なのか?)!

 しかし現実的には大手出版社はがんばっていて、積極的に電子化を進めているところが多い。心配なのは中小の出版社だ。出遅れ感がハンパ無い!印刷書籍を止めろとは思っていないが、電子化の波に乗り遅れているところがあまりにも多すぎる。是非お問い合わせください(真面目に相談いたします)。

・インターネットって本当は恐ろしい存在なのかもしれない・
 例えば流通の過程で問屋・仲卸などを省く事で商品価格を安くすることができるのと同じく、インターネットという便利すぎるモノを使う事で商品開発→インターネット→消費者という図式になってしまう。中間業者の全てが不要となる時代が来るのはそう遠くはない。

 そのうちYahooや楽天などに登録している「ネットショップ(通販)」という存在も危うくなる可能性がある。Googleなどの検索エンジンが進化して、ネットショップそのものになる可能性がある。例えば家電メーカーが家電ショップなどに流通させなくなり、自社ホームページのみの販売になったらどうだろうか?限りなくコレに近いやり方をしているのがiPhoneなどで有名なAppleだ!現状では一部の家電ショップでも販売されているが、基本的にカスタマイズ販売はできないなどの制限がある。Appleも自社ストアから購入してもらえるように積極的な展開をしている。そうAppleのように知名度と宣伝能力さえあれば楽天にお店を開く必要はないのだ!消費者が検索エンジンを使いこなし、直接メーカーから購入すればいずれ価格に反映されて安くなってくる。しかし「現実的にはGoogleが検索エンジンをそのような進化をさせても何の得にもならない」ので、大丈夫だと思うけど・・・。日本の家電メーカーも頑張ってね!

 しかしネットショップ(通販)を運営している人たちは有名メーカーの商品が手に入りにくくなるかもしれないが、無名メーカーでも良い商品を扱って行けばイイだけなので、それほど困る事は無い。このあたりはリアル商品の特権だ。データファイルの電子書籍とは異なる。