Kindle vs iBookstore vs Googleブックス

 日本だけではなく、世界的に配信できる電子書籍ストアを考察してみる。電子書籍ストアと言えばKindle(キンドル)が世界で一番有名だが、果たして永遠にナンバーワンなのであろうか?購読者の使い勝手などはとりあえず置いといて、著者や出版社側からの使い勝手に焦点を合わせてみたい。

 まず「Kindleはルールがうるさい!」と感じてしまうのは私だけだろうか?印税率35%を選択しておけば、それほど「うるさい」とは思わないが、印税率70%を選択しようと思った瞬間に「うるさい」と感じる。詳細は他を検索してもらうとして、個人的に一番厄介なのが「90日間Kindle独占販売」というやつだ。電子書籍のメリットとして「即時性」があるが、3ヵ月間もKindle限定にされてしまった後に他の電子書籍ストアで販売するのなら、Kindleという選択肢を外してしまいたくなる。法律のことはよく知らないが、たぶん独占禁止法には抵触はしないのであろう。

 「日本ではいつから始まるの?」と言われ続けていたのが「iBooks Store」だ!2013年3月6日いきなりオープン。Kindle同様に予告も無く突然オープンするのは本当にやめてほしい。せめて1ヵ月前には告知してほしいと思う・・・。「iBookstore」の印税率は70%ということしかわかっていない(判明次第報告します)。「iBookstore」のメリットは何と言ってもそれぞれの端末人気No.1のiPad(miniを含む)やiPhone・iPod TouchなどのiOS専用のストアということだろう。Appleの一番の売りはiBooks(最も優れている電子書籍リーダー)という存在だ。Kindleリーダーアプリなど他の電子書籍リーダーを使う気になれないほど秀逸であり、逆に言えば他のリーダーがお粗末すぎる。日本のApple信者たちは「iBookstore」のオープンを待ちわびており、やっと実現した。今後はソフトの充実という課題をクリアして行けば他のストアの追随を許さない存在になるかもしれない。更に追い風となり得ることがある。2013年夏頃、ついに「docomoからiPhone 5Sが発売」されるのだ!docomoユーザーがガラケーやAndroidから買い替え組やソフトバンク・auからの乗換組が集中し、iPhone 5Sの入手が数ヶ月待ちになるという噂もあるぐらいで、日本のスマートフォンの2台に1台がiPhoneとなるかもしれんとか・・・。まさか・・・そんなことにはならないよね???(※ガセ情報だったらゴメンナサイ)

 実は今一番注目しているのは「Googleブックス」だ!以前はISBNコードが無いと販売できなかったが、現在ISBNコードの必要は無く(別のコードが自動で追加される)、個人でも掲載して販売することが可能だ。印税率も70%となっており、KindleやiBookstoreと比べると著者や出版社側から見て良いことだらけだ!現状で考えるとAndroid OSが世界で一番使われているので、Kindleは方向を修正する必要があると言えよう。

「Googleブックス」の1番のメリットは何と言ってもAndroid OSの生みの親(Google)ということだ。つまり電子書籍リーダーアプリが優れていて、他のePUBファイルやPDFなどを読み込めるようになれば、AppleのiBooksレベルになる可能性を秘めている。Kindleも専用端末なら全く問題がないであろうと思うが、アプリは正直なところイマイチだ。「OSを作っているところのリーダーアプリが最強」なのだ!まぁGoogleのやる気しだいだけど・・・。

 はっきりと断言できるのは「Kindle OSのタブレットは無理!」だ。Kindle OSはタブレット専用OSであり、スマートフォンを持っていない。iOSやAndroid OS、さらに今後さまざまなOSが世に出てくるが、いずれもスマートフォンとタブレット両方で使えるOSだ。個人差はあるかもしれないが、スマートフォンとタブレットを1人1台ずつという時代がすぐ目の前に来ている以上、OSを揃えたほうが使いやすいと考える人のほうが圧倒的に多い。ということは「Kindleのガラパゴス化」は目に見えている。独自電子書籍フォーマットと独自OSが仇となることは間違いない。

 別にKindle様に喧嘩を売るつもりは無いが、近い将来「Googleブックス」「iBookstore」に追い抜かれてしまうのではないだろうか?いや、たぶんその前にルール変更などの手を打ってくると思う。もし何もしなければ「Kindle帝国の崩壊」となってしまうだろう・・・。