自費出版は電子書籍が一番!

 商業出版が電子書籍に全て転向するのは現実的ではない。減少しているかもしれないが、10年後も印刷書籍は普通に書店やコンビニで販売され続けているに違いない。

 電子書籍を一番上手く使ってほしいと思うのが自費出版だ。2012年10月にKindleが日本にオープンしたことにより、個人の自費出版が一気に認知度を上げてきた!知識や技術さえあれば誰でも格安で、またはやろうと思えば無料で自分の本(データファイルだけど)を世に送り出すことができ、販売までできてしまうというのが現状。コレを見逃す手は無い!

 プロ作家や出版社の電子書籍しか扱わない電子書籍ストアもあれば、一般の個人でも気軽に利用できる電子書籍ストアもある。ストアでは利用料金が無料と有料とあるが、無料のところでは売れた利益の30〜70%ぐらいが販売手数料として徴収される。売れなくてもお金をとられる事がない。一方有料ストアでも販売手数料は別途徴収されるところが多いようだが、無料ストアよりも利用者が少ないため埋もれてしまうことが少ないという利点がある。

 印刷で自費出版すると大抵は赤字となり、よほどの事が無い限り儲ける事は不可能。印刷製本して流通もしくは自分で書店を回って置いてもらったり(もちろん有料)、出版社を通すことなど考えると良くても10〜20%ぐらいしか回収できない。もちろん1万円/冊とかで販売すれば1冊も売れ無い。しかし電子書籍なら印刷製本・流通・書店などへの料金を0円にすることが可能だ。

 ちょっとパソコンの知識とかあるから自分で電子書籍を作って販売してみようと考える人もいると思うが、そんな簡単に誰にでも作れる物ではない。もちろん何のこだわりも無いのであれば文章が入っているだけのエディターソフトのファイルデータもで十分だ。誤字脱字に十分気をつけるのは当然として、表紙装丁も写真を地に敷いてタイトルを入れればOK。それで自費出版として満足するなら何も問題はない。

 しかし書店で売られている書籍のような表紙装丁・目次・ページデザイン・文字組などがどれだけ読者のためになっているかご存知だろうか?全ての書籍が素晴らしいデザインだとは思わないが、小説や実用書などこだわりを持って作られているのは理解しやすかったり読みやすくするためだったり、本の世界観を表す物だったりする。この世に存在する全ての物はデザインされている。何でもイイと思っている人でも洋服など身につける物に好き嫌いは無いだろうか?外食ではキレイに盛りつけられた皿が出てきた方が食欲をそそったりしないだろうか?本当に何も感じない、何も興味が無いという人が電子書籍を出版したいと思うだろうか?

 例え無料電子書籍だったとしても見た目の悪い(中身も悪い)電子書籍を手に取ってくれる人は少ない。もし有料だったら1冊も売れないという事も大いにありえる。無名作家やアマチュアの自費出版は工夫しないと誰も読んでくれないという事を覚えておいてほしい。

 プロが制作するのと素人が制作するのでは全くと言って別物の電子書籍になる。知人や友人にプロのグラフィックデザイナーがいれば「今度一杯おごるから」などで済むかもしれないが、専門業者に頼むとなれば内容にもよるが10万円以上はかかる。この制作の部分は印刷するか電子書籍にするか関係なく同じ行程で進むため、今まで安くなる事は無かったが、電子書籍専門業者の【DBファクトリー】では小説などの文章主体であれば42,000円(表紙デザインあり)という低料金で作成してくれる。通常プロのグラフィックデザイナーがこの料金で作成してくれる事はありえないが、収益金の一部を東日本大震災の復興義援金として寄付しているとの事。興味のある方は是非問い合わせてみてほしい。